最近、オンライン英会話でよく聞くのがカランメソッドという言葉。でも、いまいちどういったものかわかっていない方も多いのではないでしょうか。カランメソッドを取り入れているオンライン英会話もあれば、そうでないスクールもありますが、通常の4倍のスピードで英語力が伸びると言われているカランメソッドとはどんなものか、説明していきます。
カランメソッドとは?
カランメソッドは、1960年代にイギリスで生まれた教授法です。元々ベルリッツの講師だったロビン・カラン氏により開発されました。
ダイレクトメソッド(直接教授法)というものがあり、これはカランメソッドとベルリッツメソッドに共通しています。ダイレクトメソッドとは、生徒の母国語を使わずに、英語をそのまま理解する力を身につける方法です。
カランメソッドの特徴
カランメソッドは、オンライン英会話で多く導入されています。特徴としては、主にリスニングとスピーキングに力を入れていて、英会話レッスン中にリーディングやライティングをすることはありません。
カランメソッドには9つの特徴があるので、下記で詳しくみていきましょう。
カランメソッドの12のステージ
カランメソッドには、1~12ステージまであり、ステージが上がれば上がるほど、単語や文法の難易度が上がります。例えば、ステージ1とステージ2を比べてみるとこんな感じです。
<ステージ1> | <ステージ2> | |
文法 | be動詞
前置詞 疑問文 命令文 |
助動詞
現在進行形 複文 比較級・最上級 量を表す形容詞 |
例文1 | It’s a pen. These are my books. | Can you speak Chinese? |
例文2 | The book is on/in/under the table. | I am closing the book. |
例文3 | What’s this? Who’s that? | Do you think that’s a good picture? |
例文4 | Close the door, please. | I drink more milk than water |
そして、ステージ5くらいになると受動態といった高校レベルの文法になり、ステージ10以上になると、今まで習わなかったようなイディオムが出てきます。
文部科学省のデータを見てみると、カランメソッドと英検はこのような関係になります。
カランメソッド | 英検 |
ステージ1~4 | 英検5級~準2級 |
ステージ5~9 | 英検2級~準1級 |
ステージ10~12 | 英検1級 |
カランメソッドを終える目安ですが、毎日25分のレッスンで全てのステージが終わるのには1~1年半かかります。
「聞く・話す」を通して文法習得
ある文法を使って、質問と回答を繰り返すのがカランメソッドです。日本語で「Heが主語」といった文法説明はいちいちありません。同じ文法が使われたものを聞いて、話すということを繰り返し、英語を身につけていきます。
例えば「現在進行形」のレッスンであれば、こんな感じになります。
単語や文章をリピート
講師:Please repeat. Open.
生徒:Open.
講師:Close.
生徒:Close.
講師:(本を開きながら)I’m opening the book.
生徒:I’m opening the book.
講師:(本を閉じながら)I’m closing the book.
生徒:I’m closing the book.
講師が質問→生徒が答える
講師:(本を開きながら)Am I opening the book?
生徒:Yes, you’re opening the book.
講師:(本を閉じながら)Am I opening the book? Am I opening the book?
生徒:No, you’re not opening the book. You’re closing the book.
これを繰り返すことで、現在進行形の形を覚えていきます。
質問と同じ構文で答える
例文からもわかるように、生徒は全ての質問に対して完璧な文章で答えます。YesやNoだけで答えることはできないんです。
講師が質問で使った構文をそのまま使い答えるのが、カランメソッドのルール。こうすることで、文法ミスが少なくなっていきます。
答えは95%確定
上の例文であれば、YesかNoで答えられる質問ですが、質問とはそれだけではありません。疑問詞で始まるものもあります。
講師:Please repeat. Woman.
生徒:Woman.
講師:(女性の写真を見せて)What’s this?
生徒:It’s a woman.
このように、最初にWomanと答えを教えておいて、質問をしていくパターンもあります。これで疑問詞から始まっても答えられるようにしていくわけです。
講師:Who’s the tallest in your family?
生徒:My brother is the tallest in my family.
このように、自分で答えないといけないこともあるので、ほぼ答えは決まっているけれど、100%ではないということです。
省略形を使う
It is→It’s
You are→You’re
It is not→It isn’t
You are not→You aren’t
このように省略形を使うように指示があります。
速いテンポで話す
ネイティブスピーカーは1分間でおよそ150~180語話すと言われています。でも、カランメソッドの講師は、なんと200語以上の速さで話します。
そして、講師が速く話すだけでなく、生徒も早く答えないといけません。生徒が答えないと、講師は待たずにそのまま言い始めます。
レッスン中は質問禁止
カランメソッドは25分のレッスンとなっていますが、初めの数分は希望であれば自己紹介や軽いアイスブレイクができます。でも、カランメソッドのレッスンが始まると、文法など英語に関する質問はできません。スピーキングの量を重視するカランメソッドならではのルールとなっています。
カランメゾットのまとめ
カランメソッドは独特な方法であなたの英語力を速いスピードでのばしてくれます。母国語が使えないと苦痛になることもありますが、その解決方法は次回ご紹介していきます。他の英語学習方法で英語力が伸びなかった方は、カランメソッドを試してみてください。
コメント